『いつも二人で』オードリーの素敵な愛のロードムービー。

今や希少価値になってしまったようなクラシック・ムービー…といっても私が幼い頃とかそれよりちょっと前なんで半世紀前くらいなんでワタシ的にはそれほどクラシックとは思っていないのですが……いずれにせよ、もうめったなことではお目にかかれなくなってしまった名作のなんと多いこと。
その頃の作品たちの数少ない上映の場となったNHK-BS2の衛星映画劇場。
どうやら2009年の初夏はオードリーの作品特集をやってたようで、毎月ちょこっとずつ順番に名作が掛かってましたね。で、2009年6月は2日の『麗しのサブリナ』3日の『いつも二人で』4日の『許されざる者』を放映してました。
ということでこのうち『いつも二人で』をご紹介しましょうね。
原題は『TWO FOR THE ROAD』。これもなかなか粋なタイトルです。
素敵でオシャレな大人の恋愛映画、恋人がいる人も、いない人も、…いなくなっちゃった人も?
ぜひぜひ、ゆったりと楽しんでご覧戴きたい作品です。
-------------▲▲GoogleAdsense広告▲▲-------------
高そうな車の後部座席によそよそしく坐っている中年夫婦。クチもきかない二人はどこか意味深な空気は重苦しい…そんな陰気な陰気なオープニングなんですね、この映画。
可愛らしい可愛らしいピアノの旋律で始まり、そこへ弦楽器が加わってどこか切なくしっとりとしてくる主題曲は名匠ヘンリー・マンシーニの手によるもの。
多くの恋愛映画の主題歌を手がけたこの人、オードリー・ヘプバーン主演の『ティファニーで朝食を』『シャレード』でイッキに世界メジャーになった感がありますが、誰もが知っている“子象の行進”という可愛らしくユーモラスなあの曲もこの方なんですよ。同名の映画の主題曲だったんですね。
私この方が大好きで、私の好きな作品の多くでも音楽を担当されています。
『いつも二人で』では、まさにこの映画の物語そのものを表す構成になってまして、実に効果的に使われています。そのうちヘンリー・マンシーニだけを取り上げてみようと思います。
さてお話は、結婚12年目を迎えるジョアンナとマークの夫婦。
すでに冷め切った間柄の二人は、離婚まで秒読み状態といったところ。それなりに社会的地位を確立しているらしく、むしろそのためにややこしいことにもなりそうな予感。
でも、12年前はこうじゃなかった。
ふたりは熱い熱い想いの中にあったはず───
走る車からふと見えた若いカップルの姿。おカネはなかったけど素晴らしいものに包まれていた。それはかつての二人の姿。
なんと!シーンはそのまま、当時の二人の姿に切り替わるのです。
じつはこの作品、こうして12年間の彼らの歩みをすれ違い交差する車になぞらえてシーンを切り替えてゆくんですね。
当時もこの手法は斬新と話題を呼んだようですが、さらに話題を呼んだのはオードリーがこの頃実生活でも本当に夫メル・ファーラーとの離婚が取り沙汰されていたこともあったそうで。
それはともかく、一種のロードムービーになっているところが面白い。
ただし、私が初めてこの作品を観た時は小学生だったのでこの演出は皆目理解できませんでしたね~。まあ大人の恋の話ですから尚更なんですが。
そして彼らがその都度乗っているクルマがそのまま彼らの経済的背景を象徴しているので、最初はヒッチハイクなんですね。そして冒頭に出てきたように行き着いた現在がリムジン(でいいのでしょうか)というわけです。
あいにく私は門外漢なので、あ、さっきと違うな程度しか認識できないんですが、『グラン・トリノ』のように世に車好きがウーンとうなる映画は多々ありますが、この作品もそっちでもウーンとうなるかも?
そうして切り返し、折り重ねるようにしながら二人の人生を四季折々の風景と共に描いてゆくのですが、監督のスタンリー・ドーネンという人、『雨に唄えば』『パリの恋人』『シャレード』などで知られるように焦らすのが上手いんですね。で、ちょっとイケズな持って行き方をする。
まだ若い、新婚ほやほやの二人はどういうわけかけったいな子連れの中年夫婦と旅を共にするハメになるんですが、この中年カップルに8歳くらいの娘がついてきとる。これがまあ憎ったらしいのなんの。
昔っから感心するんですが、アメリカの映画に出てくる悪ガキの憎たらしさは“ハンパじゃない”ですよね。しかも大人はひたすら我慢する。これが昔の邦画なら、おっちゃん、おばちゃんに必ずバッシーンとシバかれるシーンになりますし、『ニュー・シネマ・パラダイス』のトト君なんか、そこまで叩かんでもええやんかと思うほどお母ちゃんにシバかれてます。
ちなみに吹き替え放送の折にはこの小娘を『アルプスの少女ハイジ』の杉山佳寿子さんが演じられていました。

ジョアンナ役のオードリーは今さら説明する必要はありませんが、旦那役、マークを演じているアルバート・フィニーはご存じない若い方も多いでしょう。
私が大好きな作品『クリスマス・キャロル』でスクルージを20代から70代?まで見事に演じたイギリスのシェークスピア俳優ですが、むしろ『アニー』の大富豪ウォーバックスといった方がお分かりでしょうか。
ほかにも『オリエント急行殺人事件』で名探偵ポアロを、最近作では『オーシャンズ12』でヴァン・カッセルの泥棒のお師匠さんを演ってたのがこの人です。
さらに『コーパス・ブライド』でヴィクトリア(人間のほうのヒロインね)の父親を演じていたそうですが、声ではさすがに判りませんでした。また御年73歳で『ボーン・アルティメイタム』にも出演していたそうなのですが未見なのでぜひ見つけてみたいと思います。
そうそう、例のうっとおしい中年夫婦のオバサンの方。うるさくて恐くてぜんぜん雰囲気が違いますが、なんとジャクリーン・ビセットなんですねえ。今も世界的女優を起用するシャンプー・リンスの『Lux』のCMで、私くらいの世代なら毎日のように彼女の艶姿を見ていたはずですが、なんと駆け出し同然の彼女は当時22歳。当時37歳のオードリーよりウントコ老けたオバハンの役をしていたとは、さすが後の大女優は違いますねえ。
さてさて。紆余曲折とはまさにこの作品を表す言葉でしょうね。
冷え切った夫婦のこの先は?ヘンリー・マンシーニの名曲に乗せて素敵なエンディングに浸ってくださいね。
では、また、お逢いしましょうね。
------------------------------------------------------------
最後まで読んでくださってありがとうございます。ちなみに私───
▼▼日本ブログ村のランキングに参加中です。まあ、そこそこできた記事やんか、と思われたらクリックして温かい一票をお授けくださいませ。






コメント